種族使徒
ティモテの使徒

ラナ・フレアス

表記注意: 姉は「ラナ」、妹は「リア」。「ララ」「リラ」は誤表記。

千年以上の時を生きる精霊族の魔術師。かつては秩序の神ティモテに仕える敬虔な使徒であり、秩序を守る役割を担っていた。しかし、最愛の妹を失ったことをきっかけに使徒としての役目を捨て、以来、世界を放浪する旅人として姿を現すようになった。

マナの操作においては天才的な技量を誇り、流れるようにマナを身体に巡らせて戦う。その戦闘スタイルは魔術師というよりも格闘家に近く、魔術と肉体の融合とも言える特異な戦い方を得意とする。

その気まぐれな性格から、旅先で気に入った人族を弟子に取ることがあり、グリシカ・クルーシャもまた彼女の教えを受けた一人である。愛酒家で時折各地の酒場で酔い潰れる姿が目撃される。


ラナとグリシカ

ラナ・フレアスがグリシカを拾ったのは、単なる気まぐれ――そう本人は言う。だが本当は、かつて失った妹の面影を、幼いグリシカに重ねたからだった。泣くこともせず、ただ静かに事故現場に佇んでいたあの少女を見て、ラナは見過ごすことができなかった。

グリシカが理を追い求める子であったのも、ラナにとっては不思議と心地よかった。自分とはまるで違うのに、なぜか一緒にいると静けさがあった。だからラナは旅の途中に少女を抱き上げ、連れ帰った――「理由なんて、後から見つかればいいのさ」と笑いながら。


ラナとリア

かつてラナ・フレアスには、リアという妹がいた。互いに秩序の神ティモテに仕える使徒として、世界の均衡を守るために生きていた。リアは仲間であり、リーダー格でもあった使徒・アルと恋仲にあった。ラナは彼の堅物ぶりを苦手に思いつつも、妹が選んだ相手として受け入れていた。

しかし、やがて使徒たちは理念の違いから分裂し、戦争が始まる。ラナにとってそれは、信じてきた”秩序”の崩壊そのものだった。そして戦火の中、妹リアは命を落とす。ラナはその時、ただ嘆いたのではない。妹の愛した世界を壊したのが秩序そのものだったと気づき、その瞬間、ティモテの使徒であることをやめたのだ。

――秩序だけでは、世界は守れない。

その悟りとともに、彼女は世界を放浪する旅人となった。秩序の外側にあるものを知るために。そして、かつて妹が愛したこの世界を、もう一度、自分の目で見直すために。


アルとラナ

戦争の後、ラナとアルはそれぞれに変わった。

ラナは使徒の道を捨て、外の世界を歩くことを選んだ。一方、アルは使徒としての責務に、むしろ一層強く縛られていった。表向きは何も変わらぬ忠実な使徒――だがラナは知っている。彼の中にも深く、消えぬ傷が刻まれていることを。

二人がリアについて語ることはない。

あの戦争と死と、そしてそれを超えてしまった現在について、口にすることは互いにしない。ただ、敵ではない。今でも苦手な相手ではあるが、戦う理由もない。

彼もまた、ラナと同じように”リアが愛した世界”を守ろうとしている。方法は違えど、その願いの核は、今も変わらずに共鳴している。